起立性低血圧の話

治療後にベッドから立ち上がると
ちょっとふわぁ~っとした感覚やふらっと立ちくらみのような症状を呈する事があります。

ごく軽度の、一時的な『起立性低血圧』の症状です。

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ベッドに横たわり治療を受けている時間は
血液を心臓から全身へと送る力はほぼ重力の影響を受けずに
比較的穏やかに行われています。
しかしながら立ち上がると、
血液は重力の影響を受けて下に下がろうとしますし、
最も血液を必要とする脳への血液供給は心臓より上にあるので重力に逆らって
力強く血液を送りださなくてはなりません。

この、血液供給の強さの調整が上手く間に合わないと一時的に血圧が下がり、脳貧血を起こしてしまい、
上記のような、ふわぁ~っとした感覚やふらっと立ちくらみのような症状が出てくるのです。

この調整を本来、人間は無意識のうちに自律神経によって行っているのですが
治療後はリラックッス状態になっているので
反応が遅くなってしまう様です。

その証拠に
数十秒から数分で症状は治まる場合がほとんどです。
(既往症で貧血や低血圧がある場合は症状が軽減するのに多少の時間が必要になります。)

もう一つ小さな理由として
一時的な血液のアンバランスが起こり症状を引き起こすきっかけを作っていると考えられます。

疲労していたり凝り固まってしまった筋肉は例えるなら、絞ったタオルのような状態です。
血液の含まれる量が不足してしまっていますが
治療後は筋肉が弛緩して(ゆるんで)いる為
絞ったタオルが水を吸い取るが如くに
筋肉に対して治療前より多くの血液が流れ込んでいます。

血液の量は身体の中では急激には変わりませんので
全体的に血液不足のような状態になりやすくなってしまうのです。

血液不足プラス、血液供給のシステムが上手く働かない
そんな状態の中で、身体全体の血液供給バランスが一時的に崩れてしまい
一時的にではありますが、そんな状況が起きてしまう事があります。

極端にひどい状況で無ければすぐに回復しますし心配するような状態ではありません。
しかし、日常生活でも同様の症状を頻繁に起こされているような場合は
専門の病院などで一度ご相談される事をお勧めいたします。


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